派遣の仕事をしていた時にバイトで来ている 
大学進学をひかえた予備校生と話す機会がありました。 

確か昨年の今頃で、
彼は、受験勉強を終えたばかりで 
受験結果に不本意さも残しつつ、 
これから始まる大学生活に、 
期待半分、不安半分、といった感じでした。 
彼の受験生活の様子も聞かせてもらいました。 
けれど、彼の一連の話を聞いてこう思いました。 

思いっきり予備校に毒されているなと。 
 

けれど、20前後の受験生が、予備校の発信する 
幻影やイメージに惑わされず、
自分で勉強を進め、自分で進路を決めていくことは、 
なかなか出来ないことだと思います。 
 
彼は受験勉強の必要のない 
付属生の多数いる、大学へ進学するそうです。 
そのこともやたらと気に入らないようでした。 
とは言うものの、僕は彼の話を 
 
「うん、うん、そうなんだ…?」 
 
と、多少の疑念を持ちつつも、 
うなずきながら聞いていました。 

と、言うのも、彼がそう考えるいきさつというのも、 
まったく分からない、というわけではないからです。  
でも、それは、彼の言うがままに共感していた、 
というわけではありません。 

随分昔のことですが、 
僕自身、大学入学当初、付属出身生の多さに驚き、
彼らといっしょくたにされていたことに、 
ぶすくれていたことが、恥ずかしながらにあったんですよ。 
今から思い返してみれば、

そんなのはなんて幼稚で浅ましかったんだろう…と 
  
自分で自分が恥ずかしくなります。 
仮面をやっていた当時だったから、 
ということもあったと思うのですが、いずれにしても  
恥ずべき考えを持っていた過去には違いありません(汗) 

けれど、ここではもっと、
視野を拡大させて考えてみましょう。 

多数の付属出身生、彼らがいることで、
大学の経営が成り立っている部分はあるはずです。 
つまりは、彼らがいなければ、
経営は成り立たなくなり、 
その大学は倒産してしまうということなのです。 
そうなったら、自分がそこにいることすらも 
出来なくなるわけです。 
 
付属出身生といってもピンきりです。 
中には「気に入らないなら退学上等」 
のスパルタ教育の男子校なんてのもあるわけで、 
その厳しい教育に耐え抜いてきた付属生もいるわけです。 
 
僕が、そのスパルタ男子校で、やっていけるか? 

と考えてみたら、到底自分には無理だろうなあ、 
と結論せざるを得ません。  
 
受験勉強なんてものも、普通の人ならば、 
たかだか、1〜2年程度で終わるものです。 
人生で勉強しなければいけない機会は 
受験勉強のほかにもたくさんあります。 
受験勉強は、その中の(普通なら) 
1〜2年程度のものでしかありません。 

大学生活は、4年、もしくは4年以上はあります。 
その4年間で、脱落してしまうこともありますし。 
大学生活の中で脱落してしまう過程の中で 
大学生活以前の状態なんてものは 
問われるわけではありません。 
 
受験経験があるかないか、なんてことは 
学生生活が4年以上もある中で、 
さほど問題にすべきことではないはずです。 
狭量で排他的な考えは、視野を狭め、 
内面を貧しくさせていきます。 
様々なチャンスや機会を 
失ってしまうことにもつながります。

部分的な側面にだけにしか目を向けず、 
独りよがりに考えるというのは、どれだけ危ないことか。

派遣の時の予備校生の彼の話を聞きながら、 
自戒の意味も込めてそう思います。 

けれど、受験生活を終えたばかりで、 
これから大学生活の始まろうという彼に対して 
こういったことを逐一説明して、 
わかってもらうことにはどうしても無理があります。 
長い学生生活の中で、彼自身、 
少しづつ気が付いていくでしょう。 
 
彼が充実した学生生活を 
送っていれば良いなあ、と思います。 

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